民事再生法の概要

平成12年3月
中小企業庁経営安定対策室

 企業が倒産しても、経営者が経営権を失わずに再建を図ることができる倒産法制として、「民事再生法」が中小企業者にとっても使いやすい形で整備されました。


1.はじめに

 和議法に代わる再建型倒産処理手続を定める基本法として,「民事再生法」(平成11年法律第225号)が平成11年12月22日に公布されました。施行は平成12年4月1日です。民事再生法は,中小企業等を主たる対象とする再建型倒産処理手続として立案されたものです。

 従来、中小企業等が再建を図る場合には、和議手続をとる場合が大部分を占めているのが実情でした。しかし、和議手続には、’忙左彊(支払不能や債務超過)があることが手続開始の要件とされていること,⊃塾てと同時に和議条件(再建計画案)を申し出なければならないこと,C簡欷△旅垰箸制限されないため,事業継続に必要な財産が担保権実行により失われるおそれがあること等の問題がありました。

 今回制定された民事再生法は、こうした欠点を解消し、債務者(法人の場合は、取締役、理事等)が、経営権や財産管理処分権を失うことなく、債権者の多数の同意による権利変更により債務者の再建を図る手続を定めたことが特徴で、特に中小企業の経営者にとって使いやすい制度であると言えます。

2.民事再生法の内容

この法律に基づく再生手続の基本的な流れは以下のとおりです。
 〆得玄蠡崖始の申立て(21条〜24条)
◆(歔棺菠の発令(26条〜31条,3章4節)
 再生手続開始決定(33条〜35条)
ぁ〆得減銚△瞭禄弌δ敢此Τ猟蟲擇唳得減通骸圓虜盪困猟敢此Τ諒檗複款錬雲瓠腺垣瓠ぃ蕎蓮
ァ〆得厳弉茲領案及び再生計画案の裁判所への提出(7章1節,2節)
Α〆得厳弉莪討侶莎帖複珪錬垣瓠
А〆得厳弉茲稜Р帖複珪錬汗瓠
─〆得減通骸圓虜得厳弉茲凌觜垉擇唳得玄蠡海僚結(186条,188条)

3.再生手続の要点

 以下,再生手続の要点を解説します。

(1)利用対象者
 再生手続は,中小企業等を主たる対象として構想されたものですが,その対象となる債務者については法律上何らの限定がされていないので,有限会社等の株式会社以外の会社はもとより,個人事業者も利用することができます。また,大企業も利用することができます。

(2)手続開始原因
従来の和議法では、破産原因(個人の場合は支払不能,法人の場合は支払不能又は債務超過)たる事実の存在が必要とされていましたが、民事再生法では、
,海譴蕕了実が生ずるおそれがある場合や,
∋業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない場合を手続開始原因としています。(21条1項)

 債務者は、)瑤廊△陵弖錣鮟爾燭垢蛤得玄蠡崖始の申立てをすることができ,また,,亮蠡崖始原因が存在する場合には,債権者も,再生手続開始の申立てをすることができます(同条2項)。

(3)担保権の取扱い
 裁判所は,再生債権者(再生債務者に対して再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権を有している者)の一般の利益に適合し,競売申立人に不当な損害を及ぼすおそれがない場合には,相当の期間を定めて,担保権の実行としての競売の手続の中止を命ずることができることとしています(31条1項)。また,担保権の対象である財産が債務者の事業の継続に不可欠なものである場合には,裁判所の許可を得て,その財産の価額に相当する金銭を裁判所に納付することにより,その財産の上に存するすべての担保権を消滅させることができる制度を導入しています(148条〜153条)。

(4)手続開始後の業務遂行等
 経営者の経営能力・信用を活用することができるようにするべく,手続開始後も債務者(取締役,理事等)が業務の遂行及び財産の管理処分を継続するのを原則としています(38条1項)。すなわち,再生手続は自力再建型の手続であるといえます。ただし,債務者の財産の管理処分が失当であるなど事業の再生のために特に必要がある場合には,例外的に,債務者に代わって業務の遂行権等を行使する管財人を選任することができることとしています(64条)。

(5)再生計画
 債務者は、再生計画案(弁済計画案)を債権届出期間が満了した後の裁判所が定める期間内に作成し、提出しなければなりません(163条1項)。再生計画案では、債権の変更、例えば債権者が会社に対して有している債権を削減したり、返済期限を延長したりすることを盛込むことができます(154条1項)。なお、再生債権者にも再生計画案の作成・提出権が認めらています(163条2項)。

 再生計画案を可決するには、出席再生債権者の過半数であって,議決権を行使することができる再生債権者の総債権額の二分の一以上に当たる者の賛成があれば足りることとされています(171条4項)。

再生計画案が可決された場合には、裁判所は、認可又は不認可の決定をします。(174条1項,2項)。再生計画認可の決定が確定すると、債権者が有していた債権は再生計画の定めに従って変更されます(179条1項)。

 この外、私的整理が先行した事案や小規模な事案等について、簡易かつ迅速な倒産処理が可能となるよう「簡易再生」(注1)(200条〜)や、「同意再生」(注2)(206条〜)の制度も定められています。

 (注1)
「簡易再生」の制度とは、届出総債権の五分の三以上に当たる債権を有する届出再生債権者の書面による同意があれば、債権調査・確定手続を経ずに再生計画案の決議のための債権者集会の招集の決定が可能となる制度です。

 (注2)
「同意再生」の制度とは、すべての届出再生債権者の書面による同意があれば、債権調査・確定手続及び再生計画案の決議を省略して再生計画の認可が受けられる制度です。

【民事再生法に関する問い合わせ先】  民事再生法の一般的手続きに関しては、別添の最寄りの弁護士会にお問い合
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<民事再生法の問い合わせに対応可能な弁護士会>

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広 島 広島弁護士会 082−228−0230 司法改革推進センター
香 川 香川県弁護士会 087−822−3693   
愛 媛 愛媛弁護士会 089−941−6279 法律相談センター
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(注2)東京地域における法律相談、弁護士斡旋については以下の所で行っています。
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