青色申告の特典 |
●青色申告とは |
個人で、不動産所得、事業所得、又は山林所得を生ずべき業務を行う人が、所得税法の定めるところに従って一定の帳簿書類を備え付け、税務署長に所得税の青色申告承認申請書を提出して承認を受けた場合は、青色の所得税申告を提出することができます。 |
●青色申告の要件とは |
新たに青色申告をされる人はその年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出して下さい。なお、その年の1月16日以後に新たに開業した人は、開業の日から2か月以内に申請すればよいことになっています。 |
●青色申告者の備付帳簿とは 青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記によることが原則ですが、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよいことになっています。これらの帳簿及び書類などは、7年間保存することとされています。書類 によっては5年間でよいものもあります。 |
●青色申告特別控除制度について |
(1)青色申告特別控除制度の内容 |
青色申告者に対しては、種々の特典がありますが、その一つに所得から最高 65万円又は10万円を控除するという青色申告特別控除があり
ます。 (1)65万円の青色申告特別控除 この65万円の控除が受けられるための要件は、次のようになっています。 イ 不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。 ロ これらの所得の金額に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。 ハ 確定申告期限内に、ロの記帳に基づいて作成した貸借対照表を、損益計算書とともに、確定申告書に添付し、その適用を受ける金額を記載して提出すること。 (注) 1 現金主義によることを選択している人は、65万円の青色申告特別控除を受けることはできません。 2 不動産所得の金額又は事業所得の金額の合計額が65万円より少ない場合には、その合計額が限度になります。 4 不動産所得、事業所得の順に控除します。 (2)10万円の青色申告特別控除 この控除は、(1)の要件に該当しない青色申告者が受けられます。 (注) 1 不動産所得の金額、事業所得の金額又は山林所得の金額の合計額が10万円より少ない場合には、その金額が限度になります。 2 不動産所得、事業所得、山林所得の金額の順に控除します。 |
(2) 正規の簿記の原則に従った記帳 |
正規の簿記の原則による記帳は、一般的には複式簿記による記帳をいいますが、標準簡易帳簿(現金出納帳・経費帳・売掛帳・買掛帳・固定資産台帳)では、正規の原則に従って記帳しているとはいえませんので、標準簡易帳簿の他に預金・手形・元入金・債権・債務についても継続的に記録することのできる帳簿を備え付けることが必要となります。 (注)5冊から6冊の帳簿を記帳することは、時間的にも労力は大変なものです。総勘定元帳による複式簿記をお勧めいたします。 |
●青色申告の特典とは... |
根 拠 法 律 |
特典項目 | 青色申告の場合 | 白色申告の場合 |
所 得 税 法 |
専従者給与 (家族従業員への給与) |
青色事業専従者に支払われた給与は原則として全額必要経費に算入できます。 別途届出が必要になります |
専従者1人当たり最高50万円(配偶者は86万円)を限度として控除が受けられます。 |
現金主義 | 前々年分の不動産所得の金額及び事業所得の金額の合計額が300万円以下の人は現金主義によって所得計算ができます。 | 適用ありません。 | |
純損失の繰越し | 翌年以降3年間繰越控除ができます。 | 変動所得又は被災事業用資産の損失に限って繰越控除ができます。 | |
純損失の繰戻還付 | 前年分の所得に対する税金から還付が受けられます。 | 適用ありません。 | |
引当金 | 貸倒引当金、退職給与引当金等の一定の引当額を必要経費に算入できます。 | 適用ありません。 | |
租 税 特 別 措 置 法 |
青色申告特別控除 | 所得を計算する際10万円又は65万円を限度に控除できます。 | 適用ありません。 |
減価償却費 | 特定設備等の特別償却、中小企業者の機械等の特別償却費を必要経費に算入することができます。 | 適用ありません。 | |
準備金 | 輸入製品国内市場開拓準備金などの準備金を必要経費に算入することができます。 | 適用ありません。 | |
所得税額の特別控除 | 試験研究費の額が増加した場合や特定の設備を取得した場合には、所得税額の特別控除が適用されます。 | 適用ありません。 |